TOP

肩関節

股関節

膝関節

足部

脊柱

頸椎

運動療法

評価

股関節

関節疾患について考えていく。

変形性股関節症

関節の不適合による関節の変形である。

痛みについて、滑膜炎や関節包の伸張、股関節周囲へのストレスなどが考えられ、これらに対する治療が求められる。

治療するために必要不可欠になるのが評価である。評価では、主にどのようなストレスに対して痛みが出現するのかを確認する。再現が出来れば治療後に同じ動作で痛みが出現するか再評価することで治療の効果判定とすることが出来る。

評価

①立位姿勢

 股関節疾患についても各関節へ影響する。立位姿勢において股関節疾患が他関節へどのような影響を与えるか観察する。

<メセン>右股関節屈曲拘縮を考えよう。もしも右股関節屈曲拘縮がある場合、見かけ上の下肢短縮が出現し、右膝屈曲、右足関節背屈位となる。また、重心の右方化、脊柱側屈、肩甲帯の下制や挙上の変化、頭部の偏位も見られる。その為、膝や足、肩甲帯に脊柱に症状が出現することも考えられる。また、膝関節の屈曲拘縮でも似た姿勢になることが考えられ、姿勢を捉え、原因を探るという手順がとられる。

臥位姿勢や坐位姿勢についても観察することで精度を高めることができる。

②関節可動域

 股関節だけでなく、下肢・体幹、左右差など調べる必要がある。

<メセン>姿勢評価と関連して関節可動域を測定する必要がある。前述した姿勢の場合、股関節伸展可動域の制限があることが考えられる。しかし、問題ない場合、ではなぜあのような姿勢になるのかを考え、膝関節に伸展制限が発見できる可能性がある。

③筋力

 関節可動域と同じように、左右下肢・体幹の筋力を測定する必要がある。

<メセン>変形性関節症の場合、関節適合性が悪いと周囲の筋緊張を高める傾向があり、股関節以外の関節による代償動作が出現することに注意する。

<治療>

関節可動域訓練

関節可動域訓練について、学生のころから何度も言われているだろうことをまた言います。end feelの確認!制限因子の特定が出来れば、対応方法はたくさんある。しかし、制限因子がわからないまま、やみくもに治療を行えば無駄に時間だけが過ぎ、何も改善しないままに終わってしまう。

股関節伸展の可動域制限因子はなんだろうか?腸腰筋や大腿筋膜張筋に大腿直筋に関節包、靱帯など様々である。それぞれ、どの因子が影響しているかを確認してその因子に対して治療する必要があるのだ。

筋力増強

筋力増強で間違いがちなのが、二関節筋の過使用である。本来筋力増強したい筋は使用せず、二関節筋ばかり使用してしまうのだ。股関節伸展で言えばハムストリングスや脊柱起立筋群である。そもそもなぜそのような筋群が働くのか?関節可動域が十分に確保できていないためである。股関節伸展可動域が制限されている時、そのまま伸展筋力増強しようとしても無理なのは理解できるだろう。さらに、股関節伸展可動域制限がある場合、腰椎の伸展で代償することが考えられる。そのため、股関節伸展筋力増強のつもりで行っていた運動が、腰椎伸展筋力増強運動となっているのである。

動作に関して

動作を行うとき、股関節と脊柱は互いに補い合いながら動作を達成する。前屈動作を考えよう。脊柱が屈曲していき、骨盤は後方移動しながら股関節屈曲していく。主に、脊柱の可動制が低い場合には骨盤の後方移動を大きくしながら股関節屈曲を強める。逆に股関節の可動制が低い場合は脊椎が屈曲するような反応が見られる。このページでは股関節を扱うので、股関節の屈曲可動域制限を考える。股関節屈曲が制限されているということは骨盤の前傾が途中で止まってしまうのである。そのため、腰椎や胸椎での屈曲で補おうとするのである。主にハムストリングスの短縮などがこの原因であることが多く、ストレッチ指導などで頻繁に行われるのもこの影響である。

 

 


inserted by FC2 system