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評価

理学療法には必ず評価をしなければ始まらない。

しかし、本当の理解には数年、数十年かかる。たくさんの書物にその重要性は書かれている。研修でも何度も言われる。

理学療法において、新人には治療テクニックが少なく、幅がない。そのため、効くと言われることを片っ端から試していく。それが悪いとは言わない。しかし、その方法に対して評価できているのか?そこが重要である。

立ち上がりの際に、骨盤の前傾を促すと立ち上がり動作が楽になると本に書いてあるとしよう。なるほど、立ち上がり困難な人には骨盤の前傾を促せばいいのだ!と考える。→試してみる。→うん、なんとなくスムーズだし本人も楽だと言ってる。

これでひとつ経験値を積んだ気になる。しかし本当にこれでいいのか?評価を参考にこの流れをおさらいしましょう。

動作分析

 立ち上がり困難な人の立ち上がり動作を分析する。体幹・骨盤の前傾が始まるが十分行われる前に、殿部離床しようとしてすぐ殿部は元の位置に落下してしまう。どうやら、支持基底面が座面から、足部を囲む位置に変化する時に重心を入れることができないようだ。

 重心の前方移動が出来ない理由は、どうやら骨盤の前傾が不十分であることが原因でありそうだ。

さて、動作分析で骨盤の前傾が不十分で重心が後方に残っていることがわかった。では骨盤の前傾できない理由はなんだろうか?

関節可動域

次に関節可動域の測定をする。骨盤の前傾は言い換えれば股関節の屈曲運動である。そこで股関節屈曲可動域を測定する。結果、股関節の屈曲可動域が90°と制限がある。どうやらこれが骨盤前傾の不十分な理由のようだ。

さらに、end feelなどでは殿部の筋の筋緊張が高いようだ。

おさらいしよう。

①動作分析にて、「骨盤前傾不足」が示唆された

②関節可動域測定にて「股関節屈曲制限」がある。原因は筋の緊張のようだ。

立ち上がり動作を改善する為には、股関節の屈曲可動域を改善するといいようである。当然、坐位での骨盤前傾誘導も言い換えれば坐位での股関節屈曲訓練であり、結果として立ち上がりがスムーズになったのは股関節可動域が改善したからだろう。

しかし、それで終わりではない。立ち上がりがスムーズになったのはいい。さらに、自分の評価とリンクさせるためには、もう一度股関節屈曲可動域を測定することである。ここでも改善されていれば、行った治療に対しても自信がつく。

 

 

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